
知らないと損! テントやタープのトラブル予防策や豆知識まとめ
キャンプ用のテント&タープを製造していて、修理の評判もいいメーカーに幕のトラブルを上げてもらったところ、声をそろえたのが「生地破れ」。
では、その理由とトラブル予防策を紹介しよう!
小石と焚き火で生地に穴が開く場合
「修理依頼で一番多いのは生地破れで、小石の上で幕体を引きずり小さな穴がいくつもあいた、ファスナーを巻き込んで破ったなどが原因です。冬は焚き火の火の粉で穴があいたというケースもありますね」というのは老舗ブランド「ogawa」。
引きずるつもりはなくても、風に飛ばないよう荷物を載せていたところ風にあおられるなんてときも、同じような破れができるので注意したい。
ほかにも枝や柵に引っかける、ペグを打ちそこねてスカートをたたくも破れの原因になる。
また、コールマンでも「消したばかりのストーブが残ったまま、テントを撤収しようとして穴をあけたものが届きました」と火によるトラブルは絶えない。
幕内で灯油ストーブを使える条件が明文化されたが、本来、テント内では火器使用禁止。ルールや使用方法をちゃんと守って安全にテントを使おう。
ここに気をつけたい!トラブル予防策

焚き火は幕から離れた場所で
焚き火は幕から離れた場所で行う。また、爆ぜるのは薪や炭に水分が含まれていて、それが熱で膨張するため。
よく乾いた薪を用意し、地面に直置きしないことも重要だ。

幕の撤収はバーナーやストーブが冷えてから
薪ストーブや灯油ストーブ、バーナー、ランタンは消火してもすぐには冷めない。
早めに消火して片付けてから幕の撤収に取りかかる方が安全だ。

幕を引きずらない!
開けた場所で畳もうと移動するなら、家族と協力して幕を持ち上げて動かして。
引きずったままでは尖った石や枝で裂ける危険大。ふざけて子どもが乗ろうものならイチコロだ。

ファスナー開閉はていねいに
片手で勢いよくファスナーを開閉すると生地を噛みがち。
片手でタブ、反対の手は生地が噛み込まないよう軽く引っ張りながらゆっくり開閉することがトラブル予防の秘訣。
生地は紫外線で劣化
コットンだろうと化繊だろうと生地は紫外線で劣化し、破れやすくなる。
生地が大丈夫でも、シームテープがパリパリになったり、生地裏の加工側がベタベタに。
使用後はよく乾かし、風通しのよい場所で保管、できるだけ長く使おう。
メーカーによる補修作業

目立たないよう補修
破れを整えたら大きめの当て布をして補修。
メーカーでは同じ生地を当ててくれるので目立たずきれいに仕上がる。
シーム加工も万全だ(写真はスノーピーク)。

メッシュ破れはフチを縫い付けて強度アップ
小さな破れや細長い破れは生地を両面にあて、大きな破れは別布でフチを作りその内側にメッシュをあてて縫い付ける。
これならシールと違って剥がれることはなく安心して使い続けられる。
補修跡は残るけれどちょっと自慢に思えるのが不思議(写真はコールマンの「見やすく」作成した補修例)。

ファスナーの動きが悪くなったら早めに修理
ファスナーはテープにムシ(コマ)が縫い付けられていて、スライダーによって左右に分かれたムシが組み合わされる。
そのため、ファスナーの動きが悪くなったら、ムシのズレを確認。
初期段階であれば修理できるかもしれないので問い合わせを(写真はスノーピーク)。
出典/ガルビィ2025年1月号