
アイディアが画期的すぎる!ネイチャークラフト作家の修理技術がすごすぎた
キャンプ用の調味料などを持ち運べる「ワーカーズオカモチ」はネイチャークラフト作家の長野修平さんが考案したもの。
しかし、10年も使っていると、あちこちに不具合は出る。

「ピタッと閉じない、がたつくなんていう不具合は調味料を持ち運ぶという目的には支障ありませんが、地味にストレスになります。
気になるところを少しずつ修理して使い続けるのが僕のスタイル。
ワーカーズオカモチは工場で作られた製品ですが、自分の手で修理できますよ」という長野さんに密着して、修理の様子を覗いてみた!

長野修平さん
ネイチャークラフト作家でありアウトドア料理人。
北海道の山菜料理店に生まれ、東京・銀座の日本料理店で修業。
その経験をいかした焚き火料理に定評がある。モーラナイフ公認アンバサダーでもある。
割れを修正して隙間をなくす

割れて隙間ができた
竹集成材は軽くて頑丈だけど、集成木材よりも湿気の影響を受けやすく、また、衝撃などで繊維に沿って割れやすいのがデメリット。
取り外せる小箱の角が割れはじめ、そのうち下にまで達しそう。
①ダボを作る

時間とともに板が反るので、小さな割れだからといって木工ボンドを流し込んで接着するだけではまた剥がれてしまう。

そこで反りに備えて「ダボ」という木の軸で止める。これも市販ではなく竹で作るのが長野流。

ダボ断面はきれいな真円でなくてもいいが、ダボ穴より少しだけ太くなるように、ドリル刃の太さとあわせておく
②ダボ穴をあける

①で作ったダボの太さよりわずかに細いドリル刃を使い、ダボ穴をあける。
板の厚みの倍くらいの深さになるよう、刃にビニールテープで目印を付けてから穴をあける。
③ダボに印を付ける

ドリル刃と同じ深さの場所に、テープでダボに目印を付ける。
こうすれば、ダボをどこまで叩き込めばいいのかが一目瞭然だ。
④ダボをたたき込む

板が割れないように加減しながらダボをたたき込む。
木槌ではなく、厚みのあるナイフの刃を横向きにして、トントンと軽快に押し込んでいくのが長野さんのやり方。
⑤はみ出しを切って完成

目印のところまでダボが入ったら、はみ出した部分をアサリのないダボ用ノコギリなどを箱へピッタリ当てて傷を付けないように切る。
これで板が反る力に負けず、割れるようなことはない。
⑥完成!

ボンドとダボの効果でがっちり留まった。割れの進行を気にしなくていいって最高!
出典/ガルビィ2025年1月号