
知らないと損!テントの正しい保管方法知ってる?誰でも簡単にできる基本のお手入れ方法
テントの寿命は適切な手入れを行うか否かで大きく変わってくる。
特に日本は湿度が高く、降雨量が多い季節もあるため、カビや劣化を防ぐために正しいメンテナンス方法を知っておきたいところ。
そこで今回は、テントを大切に使っていくための具体的な手入れ方法から、テントケアにおすすめの製品までを詳しく紹介しよう。
テントの手入れを怠ると

テントは屋外の厳しい環境下で使用されるため、汚れや湿気の影響を受けやすいアイテムだ。
とりわけ、キャンプ中は天候の変化に対応できる耐久性が求められ、雨や風、地面の汚れなどによって状態が変化する。手入れを怠ると次のようなリスクがあるため、定期的なメンテナンスは欠かせない。
テントの大敵はカビ
テントは防水や撥水加工が施されているとはいえ、濡れたまま放置したり、泥汚れをそのままにしてしまうとカビが生えやすくなる。
カビはテントの外観を損ねるだけでなく、生地の繊維を傷める要因となり、防水性能の低下にもつながる。
また、テントの縫い目やポールスリーブなどに汚れが溜まると、縫製部分の劣化を早めてしまう恐れがある。
結果的にテントの寿命が大幅に短くなる可能性があるため、適切な手入れの重要性は高い。
メンテナンスで寿命が伸びる

テントを清潔に保ち、しっかり乾燥させることで、カビや悪臭の発生を防ぎ、防水・撥水機能の持続にもつながる。
さらに、使用後にしっかり点検することで小さな破損や劣化を見つけやすくなり、早めにリペアやコーティング処理を施すことができる。
こうした地道なメンテナンスの積み重ねが、テント本来の性能を長期間維持するカギとなる。
テントを手入れする際の基本
テントのメンテナンスは「汚れ落とし」「乾燥」「保管方法」の3ステップを押さえておくだけで、だいぶスムーズに進められる。ここからは、具体的にどのように手入れを行うべきかを解説していく。
①汚れ落とし
■どのような汚れがあるか
キャンプ場は砂利や土、草、木の樹液など、テントの生地に付着する汚れが多い。特に濡れた地面だと泥汚れが付きやすく、雨が降った後はドロドロになりがちである。

また、落ち葉や砂埃も気づかないうちにテント内部に入り込んでしまい、生地表面だけでなくフロアやポールの接続部など目立たない部分に汚れが溜まる場合がある。
■正しい汚れ落とし方法と注意点
汚れを落とすときは、まずテント全体を広げて大まかな泥や砂を払い落とす。
その後、濡らした雑巾やスポンジに薄めた中性洗剤を含ませて、汚れを拭き取っていくのが一般的。ポイントとしては以下のとおりである。
・熱湯をかけたりするのは避ける(生地やコーティングを傷める可能性がある)
・なるべくテント専用洗剤を選ぶ(撥水加工を剥がさないため)
・泥や樹液の頑固な汚れは、無理にゴシゴシせず、専用クリーナーを使ってゆっくりと落とす
・洗剤成分を残さないようにしっかりと洗い流すか水拭きする
落としにくい汚れに対して力任せにこすると、生地が破れたりコーティングが剥がれてしまう恐れがあるため、丁寧に落としていくのが肝心である。
②使用後の乾燥

■自然乾燥の重要性
ひととおり汚れを落としたら、しっかりと乾燥させたい。
また、目立った汚れがない場合でも、夜露や結露によってテントの生地やフロア部分に水分が溜まっていることが多い。
そのまま畳んで持ち帰ると、湿気がこもってカビの原因になるため、キャンプ場で時間があるときはなるべく広げて乾燥させることが望ましい。
■陰干し推奨
テントの生地は防水コーティングが施されていることが多く、強い日差しに長時間さらすとコーティングが劣化しやすい。そのため、風通しの良い日陰で陰干しするのがベスト。
もしキャンプ場で十分に乾かす時間が取れない場合は、帰宅後に再度陰干しを行うとよい。
③テントの保管方法
■保管場所の選び方
テントは乾燥させた後、日光が当たらず湿度の低い場所で保管するのが理想的である。長期間しまう場合は、風通しが良い室内が望ましい。
外の倉庫に直接放置すると温度差や湿気の影響を受けやすく、カビや生地劣化を招きやすくなる。また、虫が入り込む危険性もあるので、できれば避けたい。

■正しい畳み方
テントを畳むときは、購入時の折り目を必ず再現しなければならないわけではない。
毎回同じ折り目を付けていると、特定の部分だけダメージが集中する場合があるため、適宜折り目をずらしながら畳むのが長持ちさせるコツである。
ポールやペグもきれいに拭いて乾燥させた上で、同じ収納ケースにまとめて入れるようにすると紛失防止にもなる。
テント手入れに役立つおすすめ商品
テントを長く使うためには、適切なケア製品を活用するのが効果的。
ここでは、テント専用の洗剤や撥水剤を紹介しよう。
テント用洗剤

ニクワックス「テックウォッシュ」
ニクワックスはイギリス発のブランドで、アウトドア用品用のケア製品に定評がある。
「テックウォッシュ」はゴアテックスや防水加工が施された素材にも対応しており、撥水性能を落とさずに汚れだけをしっかり落とせるところが魅力。

グランジャーズ「テント + ギアクリーナー」
グランジャーズもイギリスの老舗メーカーで、撥水ケアなどのアウトドア向け製品が豊富にそろっている。
「テント+ギアクリーナー」は生地へのダメージを抑えつつ、しっかりと洗浄する。
撥水剤
洗浄後のテントは、撥水性能が弱まっている場合がある。そこで、撥水剤を使用して防水性能を再度高めておくと、急な雨天時でも安心してキャンプを楽しむことができる。

ニクワックス「テント&ギア ソーラープルーフ」
テントやタープなどの大型ギアにも簡単に施工できるスプレータイプの撥水剤。生地全体にむらなくスプレーしやすい構造になっている。
さらに紫外線からのダメージを軽減する効果があるため、日差しの強い環境で使用するテントにはぴったりだ。

モンベル「O.D.メンテナンス はっ水スプレー 330mL」
手軽に使えるスプレータイプで、テントからウェアまで幅広く使用できる。防水透湿性素材の性能を損なわないのもうれしいところ。
まとめ
テントはキャンプを象徴する大切なアイテムであり、その手入れを怠るとカビや劣化といった深刻なトラブルを招くおそれがある。
使用後はしっかり乾燥させ、汚れ落としを丁寧に行い、保管場所にも気を配ることがテントの寿命を延ばす秘訣である。
もし、湿度の高い場所しか選択肢がない場合でも、除湿剤を活用したり、定期的に収納スペースを換気するなど工夫していきたい。
テントはキャンプの快適さを大きく左右するギアであり、適切な手入れこそが安心・安全なアウトドアライフを支える土台となる。
ぜひ本記事で紹介した方法や製品を参考に、大切なテントを長く愛用してもらいたい。