すごすぎて真似できない! 達人キャンパーたちの究極のキャンプ術が天才すぎる
キャンプのスタイルは人によって様々だが、今回登場するのは、ヴィンテージキャンプ、ペットキャンプ、ブッシュクラフトで個性を極めた達人キャンパーたち。
簡単には真似できない、その独特なスタイルを早速紹介しよう!
インテリアにこだわったヴィンテージキャンプ
大好きなアイテムを集めながら、ヴィンテージキャンプを楽しんでいるのはmie(みい)さん。
そのmieさんにヴィンテージキャンプのインテリアについて教わった。

ファミリーキャンプからソロへ、そして、現在は独自のスタイルでキャンプを楽しんでいるmieさん。
仲間たちとのグルキャンも大好き。
フィールドに現れたかわいらしい部屋

コットのタープ下にはヴィンテージのテーブル、チェアが並べられている。

テーブルの上にはフランスのLAMPE FEUTREE ABEILL社製ヴィンテージオイルランプが置かれていた。
その隣にあるのは糸巻きを使った一輪挿し。

キッチンエリアにはクッキングアイテムがまとめられている。
手前のランプはLEDライト、奥に見えるランプはヴィンテージアイテム。

フライパンは1950年代に広まったCOLD HANDLE L&G製。
手元が中空になっていて、熱くならないのが特徴。

キッチンの横にはクーラーボックス(左)と調味料入れ(右)が並んでいる。
アルミデザインで統一感のあるアイテムだが、まったく別のメーカーのもの。

mieさんが欲しくて探したというKAMPKOLDのクーラーボックス。
アルミ製で、ふたの開き方に特徴がある。
テントもヴィンテージスタイル

テントはヴィンテージキャンプ好きな人には定番となっているサクソンテント。
ポールはA型フレームになっていて、テントが自立できるようにカスタムされている。

足元にラグやマットを敷き、インテリア空間をコーディネイト。

DIYしたテーブル兼収納ボックスの中には、テント内で使えるキッチン用具などを収納。

テントの中でもリラックスできる環境を作るのがmieさん流。
ヴィンテージキャンプのコツ
mieさんの使っているキャンプギアを見てみると、ほとんどがキャンプ用ではないアイテムだ。
家で使われていたであろう、おしゃれな雑貨が多い。
特に今回はヴィンテージスタイル強めでアイテムをセレクトし、さらに濃い内容になっているようだ。

購入の決め手となるのは、コンパクトに収納できること。ギア選びでは大切なポイント。

DIYで作ったランタン。100円均一アイテムなども使って、組み合わせを楽しんでいる。

骨董市やネットで見つけた古いキャンプアイテム。一目惚れして購入したものが多い。

ガス缶など雰囲気に合わないものは見せない収納でカバー。調味料なども表に出さない徹底ぶり。

イスとトレーは骨董市で見つけたもの。組み合わせてランタン置きに生まれ変わった。
ソロで楽しむ究極のペットキャンプ
ペットとのキャンプライフを満喫するキャンパーは多くいる。
今回はソロキャンプとペットキャンプを両方楽しんでいるキャンパーさんを取材し、その魅力と楽しみ方を教えてもらった。

休日は海辺でサーフィンやSUP、キャンプをする生粋のアウトドアマンで、下田を中心に活動をする。
アパッチくんは10歳になるジャックラッセルテリア。
誰にも邪魔されない湖上での水遊び
今回のキャンプ場は山梨県にある「浩庵キャンプ場」。
富士山が目の前にそびえる景色はいつ見ても圧巻。目の前に本栖湖があり、すぐにアクティビティができる立地もうれしい。

「このキャンプ場は、サイトの目の前に本栖湖が広がっていて、アパッチを連れてすぐに水遊びへ行けるのがいいんです」と鈴木さんは笑顔で話す。
誰にも邪魔されない静かな湖上で、愛犬とのゆっくりした時間を楽しむ鈴木さん。アパッチくんはどうしても湖に飛び込みたいのか、活発な声を出して尻尾を振っていた。

お気に入りのカナディアンカヌーに乗り、アパッチくんと優雅に進む鈴木さん。
天候もよく、清々しい姿は真のアウトドアマンといえるカッコよさ!
「最近のキャンプは、水遊びなしではできなくなりました」。
楽に過ごせるスタイルが定番

「ソロキャンプでは、コンパクト性だけでなく、デザインや居住性の高さを重視しています。
そのなかで、このモステントは自分の理想にピッタリなんですよね。
多少ヴィンテージ特有の臭いはしますが、アパッチもすでに慣れたようで嫌がらないので、かれこれ10年くらい使っています」。

ヴィンテージ市場で人気が高いモス・オリンピック。
「劣化しやすいので、軽くたたんで乾燥剤を入れて大切に保管しています。
うねった独特な形が好きで、その前にリビングを作ると抱擁感があって過ごしやすいんです(笑)」。

ブルーリッチチェアワークスのウッドロールテーブルを使用。
「高さもちょうどよく、ヘリノックスのチェアに座ったまま調理や食事がしやすいので重宝しています」と鈴木さん。

夜に冷えることを想定して、犬専用の洋服も常備。
マットと寝袋は用意しているが「いつも私の寝袋に入ってくるので、使わないことが多いですね」。

パイロミッド「グリルストーブシステム10インチ」。
土台の上に網を載せればグリルに、蓋を載せればオーブンにもなる3WAY仕様。
「これ一台で焚き火から調理までできます」。

10年以上も使い込むアメリカ製の羊革グローブ。
「焚き火だけでなく、料理をするときにも何かと重宝しますね」。

ファイヤーブラスターは鈴木さんが最も使うギアのひとつ。
「焚き火の深い部分で吹くと、火花が散らない。アパッチに火がいかないので安全なんです」。
愛犬と過ごす贅沢なひととき
鈴木さんは晩ご飯を準備し始めた。
手に取り出したのは、パタゴニアが販売する「プロビジョンズ」という食品コレクション。
環境への負担を極力減らし、農業や水産を支援することを目的にしたもので、オーガニック製品のため体にも優しい。

「肉料理とかをガッツリ食べたいときもあるんですが、ソロキャンプとなると荷物は減らして簡素で過ごしたいので、プロビジョンズや缶詰料理で済ませています」と鈴木さん。
今回は焼きピンクサーモン、ブラックビーンスープ、トマトソースのムール貝添えの3品を調理。

ピンクサーモンはスキレットに入れて焚き火で手早く焼き、ブラックビーンスープはお湯を沸かして食材を入れれば完成。
パスタは茹でたら、缶詰の食材とトマトソースを入れて、味を整えるだけ。

アパッチくんの料理は、カロリーが高い鹿肉などの材料を中心にミックス。
「環境によって食欲が落ちることがあるため、キャンプではそそられるものをメインにしています。
でも、高カロリー系はキャンプだけにして、メリハリをつけていますよ」。

湯沸かしなど、時間がかかってしまうものは、高火力のバーナーを使って一気に熱する。

夕食が終わったら、今回のメインテーマである焚き火へ。
手際よく薪を組み、焚き付けを置く鈴木さん。そしてその流れのまま、あっという間に着火した。
「火をつけるときは、実はこだわりはないんです。
その代わり、薪は大きい広葉樹が好きで、じっくり焚き火をするときはいっぱい用意しますね。
普段は夕方から焚き火を始めて、薪がすべて燃え尽きるまでじっと火を見届けます。
だいたい、1回のキャンプで5〜6時間はやっていると思いますね。
途中で食材を焼くのに使ったり、朝は湯を沸かすのに使ったりと、焚き火は自分にとって大事なライフラインです」。

「火を見ていると、その日の振り返りをしちゃいます。
今日は充実できたかな? とか、アパッチと楽しく過ごせたかな? とか(笑)」。
ひざの上で眠るアパッチくんとともに、ゆっくり時間を過ごす。
鈴木さんの息に合わせているかのように、炎は大小さまざまな形に変わっていた。
不便そのものを楽しむブッシュクラフト
近年人気が高まっているブッシュクラフト。しかし、どんなキャンプスタイルなのか、よく分からないという人もいるだろう。
そこで埼玉県の嵐山渓谷で、ブッシュクラフトをしている人たちの様子を覗いてみた。
現場にある自然素材を使って工作

「ブッシュクラフトってそもそもなんなの?」という人に簡単に説明しよう。
ブッシュとは茂み、クラフトは工作。この単語を組み合わせたのがブッシュクラフトだ。

オートキャンプと真逆にある、若干不便なキャンプ。
とは言っても完璧な野宿とは違うし、それなりの装備はある。でも、やはりそれでもワイルド。

サバイバルキャンプとちょっと似ているが、サバイバルの目的が「生還」なのに対し、ブッシュクラフトは「生活」に近い。
現場にある自然素材を使って工作し、不便そのものを楽しむということ。

テントや最小限の道具はあるけど、どちらかと言えば野宿(のようなもの)に近いかもしれない。
いろいろ作って遊ぶのである!

ブッシュクラフトの醍醐味は、その辺に落ちてる樹木や小枝を使っていろいろ作ること。

グローブ、アックス(鉈)、ナイフ、ノコギリの準備をぜひ。

必ず山の所有者の許可、そして使っていい木かどうかを確認すること。
絶対に立木を切るなんてことがないように。ルール守るべし!!

ベーコンを吊るすハンガーを作る。

そこに紐とS字フックを取り付けて肉を刺す。

焚き火の煙でいぶす。6時間ほど吊るしておけば、とびきりのベーコンになる。
この手間そのものが楽しむのがブッシュクラフトのスタイル。
防水マッチは必須アイテムである

ライターを使わないのが流儀。ブッシュクラフトでは効率の良さを求めない。

防水マッチなら雨が降っても安心。効率の良さは求めないが、全く火がつかないのは困る。

麻縄をほぐし、ファイヤースターターで火花を飛ばす。一瞬で着火できたときがうれしい。

効率を求めずに、手間ひまをかけた末に焚き火が生まれる。贅沢な時間の使い方だが、これがブッシュクラフトならではの醍醐味だ。