
家族全員で楽しめる!ファミリーキャンプの楽しみ方を徹底解説!
ファミリーキャンプをするにあたって「キャンプの楽しみ方」は大きなテーマだ。家ではできないこと、自然の中だからこそできることを体験できれば、キャンプは特別な思い出になる。
逆に、楽しみ方のアイデアが不足していると、時間を持て余し、疲労感ばかりが残ることもある。
そこで、家族全員で楽しめるアクティビティを中心に、自然遊び、火を使った体験、夜の過ごし方、キャンプ場でのアクティビティなどを紹介しよう。
①自然とふれあう楽しみ方
自然の中にいるだけで、子どもはいつもと違うテンションになる。木々の間を歩き、草の上を転がり、川の音に耳を澄ます。そうした「環境そのもの」が遊び場になるのが、キャンプの大きな魅力だ。

たとえば、虫とり。トンボ、バッタ、カブトムシ、クワガタ──地域や季節によって出会える生き物は異なるが、虫あみと虫かごがひとつあるだけで、半日は遊びが成立する。捕まえることが目的ではなく、見つけようとすること自体が楽しさにつながる。
小川が近くにあれば、水遊びは定番の楽しみ方だ。浅瀬で石を拾う、水をすくって流す、小さな魚やオタマジャクシを探す。
流れのある場所では、それだけで遊びの展開が無限に広がるだろう。水鉄砲やペットボトルのジョウロなど、ちょっとした道具があれば遊びの幅も広がる。

シャボン玉も、自然の中でやると格別だ。風の向きや光の入り方で、いつもより遠くまで飛び、きらめき方も違って見える。広い場所で制限なく吹けることが、子どもにとっての開放感になる。
もう少し落ち着いた遊びが好みなら、葉っぱや木の実を集めて「自然図鑑」をつくるのもおすすめ。お気に入りの形の葉を探したり、同じ色のものを並べてコレクションしたり。自由研究のような感覚で自然を観察できる。
大人は「遊ばせる」よりも「遊びを見守る」くらいの距離感でちょうどいい。自然の中にいること自体が、子どもにとって刺激になる。
②火を使った楽しみ方
キャンプといえば、やはり「火」。普段の生活ではなかなか触れることのない火を前にすると、大人も子どもも自然と真剣な顔になる。安全に配慮したうえで、火を囲む時間をしっかり楽しむことは、ファミリーキャンプの醍醐味のひとつ。

まずは火起こし。着火剤を使えばすぐに火はつくが、せっかくならマッチやファイアスターターなどで、焚き付けから火を起こしてみたい。
薪を組んで空気の通り道をつくったりする作業は、ちょっとした「工作」とも言える。子どもにとっては、火がつくまでの工程すべてが新鮮な体験になる。

火が起きたら、次は「焚き火で何をするか」。定番はマシュマロ。長い串に刺してじっくり炙ると、表面がこんがり、中はとろとろになる。うっかり焦がしてしまっても、それもまた楽しい思い出だ。
もっとしっかり料理したい場合は、ホットサンドメーカーやスキレットを使うのも一案だ。具材を自分で選び、火加減を調整しながら焼く。ひと手間かかる分、できあがったときの満足感はひとしお。
火の扱いにはもちろん注意が必要だが、だからこそ、火を囲む時間には特別な緊張感と集中力が生まれる。親が手本を見せ、子どもに一部を任せる。そうしたやり取りのなかに、キャンプならではの学びと楽しさがある。
③手を動かす楽しみ方
キャンプの時間には、自然の素材を使って「手を動かす遊び」も取り入れたい。完成させることが目的ではなく、作っている時間そのものを楽しむこと。それがキャンプらしい遊び方であり、子どもにも大人にも心地よい集中をもたらしてくれる。

自然クラフトは、まず手近な素材を拾うところから始まる。小枝、落ち葉、木の実、石──それぞれ形や質感が違う素材を組み合わせて、人形やアクセサリーをつくってみる。グルーガンや木工用ボンドを使ってもいいだろう。
ロープワークもうってつけだ。使うのはアウトドア用の細引き(パラコード)でいい。もやい結びや自在結びなど、覚えると実際の設営にも役立つ技が多い。ロープの扱いに慣れると、子どもはタープやハンモックの設営にも関わりたがるようになる。遊びが実用とつながっていく感覚が、年齢を問わずうれしい。

ナイフを使ったクラフトに挑戦してみるのもよい。もちろん保護者の見守りと適切なルールが前提になるが、フェザースティックづくりに挑戦したりすれば、火起こしとの連携も生まれる。道具の扱いに慎重さが求められる分、子どもも自然と姿勢が真剣になる。
「手を動かすこと」は、単なる遊び以上の意味を持つ。集中すること、工夫すること、失敗してもやり直すこと。そのすべてが、キャンプという環境の中では自然に受け入れられていく。完成品が残らなくても、その過程こそが楽しみであり、学びになる。
④夜キャンプの楽しみ方
キャンプの夜は、普段の生活とはまったく違う時間が流れる。まず試してみたいのが、星空観察だ。市街地ではなかなか見られない満天の星が、キャンプ場では頭上いっぱいに広がる。星座早見盤やスマートフォンのアプリを使えば、星の名前や星座の位置もすぐに確認できる。

星を見るだけでも十分楽しいが、レジャーシートを広げて寝転がると、視界が空だけになる。子どもはもちろん、大人も思わず黙って見入ってしまう。「あれが北極星だよ」と指さして説明しているうちに、自然と会話が生まれる。特別な知識がなくても、空を見上げるだけで豊かな時間になる。

テントの中で過ごす遊びも、夜ならではの楽しみがある。影絵ごっこや、懐中電灯を使った光遊び、持ち込んだ絵本の読み聞かせ。慣れない寝袋の中で、ごろごろと転がりながら過ごす時間も、それ自体が特別な体験になる。
夜の遊びは、静けさや暗さが加わることで、普段の遊びとは違う緊張感と高揚感が生まれる。だからこそ、あれこれ詰め込みすぎず、少しの工夫で十分楽しくなる。無理に盛り上げようとしなくても、夜の空気がすでに舞台を整えてくれている。
⑤家族で盛り上がるキャンプ場アクティビティ
キャンプ場によっては、個人での遊びにとどまらない「体験型アクティビティ」が用意されていることがある。こうしたプログラムをうまく取り入れれば、家族全員でひとつのことに取り組む楽しさが加わり、キャンプの満足度はぐっと高まる。

水辺のアクティビティとしては、SUP(スタンドアップパドルボード)やカヌー体験を提供しているキャンプ場もある。安全対策が講じられた場所であれば、親子で一緒に乗ることも可能であり、水の上という非日常を共有する時間は、家族の記憶に強く残る。
地上で楽しめるものとしては、アスレチックやボルダリング、トランポリンなどの遊具を備えたキャンプ場もある。年齢に応じて遊べる内容が違うため、兄弟姉妹がいても、それぞれが自分に合った楽しみ方を見つけやすい。体を動かす系の遊びは、子どものエネルギーを発散させるのにも適している。

ものづくり体験が充実しているキャンプ場もある。たとえば、クラフト体験、革小物づくり、キャンドルワークショップなど。こうした体験は雨の日でも実施されることが多く、天候に左右されない「第二の楽しみ方」として重宝する。
キャンプ場が提供するアクティビティは、遊びの幅を一気に広げてくれる。何をするか迷ったとき、あるいは子どもが飽きてしまったときの切り札としても有効だ。せっかくキャンプに来たのだから、施設の魅力も遊びのひとつとして積極的に取り入れたい。
⑥まとめ
ファミリーキャンプを成功させる鍵は、どんなギアを使うかでも、どんな料理を作るかでもない。いちばん記憶に残るのは、「そのキャンプでなにをして遊んだか」である。
自然とふれあい、火を扱い、手を動かし、夜を楽しみ、家族全員で同じ時間を共有する。そのすべてが、キャンプを特別な体験へと変えていく。高価な遊具や凝った準備がなくても、自然の中には無限の遊び方がある。そしてその多くは、子どもが自分で見つけていくものでもある。
今回紹介した楽しみ方は、あくまで入口にすぎない。大切なのは、実際にキャンプに出かけ、体を動かし、目で見て、手で触れながら、「そのときのその家族にとっての遊び方」を見つけることだ。