
キャンプの荷物を減らしたい!ファミリーキャンプで使える賢いミニマム術
ファミリーキャンプは、どうしても荷物が多くなる。子どもの着替えや食材、遊び道具までそろえているうちに、車はすぐいっぱいだ。
だからといって、無理に減らしすぎると「やっぱり持ってくればよかった」と思う瞬間もある。大切なのは、安心して過ごせる快適さを残しながら、必要以上の荷物を減らすこと。
ここでは、そんなファミリーキャンプをもっと身軽に楽しむためのコツを紹介したい。使わないものや兼用できるものを見極めれば、準備や撤収に追われる時間が減り、家族で過ごす時間がぐっと増える。
1.必要な装備は減らさない
荷物を減らす前に、まず「絶対に持って行くもの」を決めてしまおう。ここをあいまいにしたまま削り始めると、あとで必ず後悔する。

たとえば、防寒具や雨具。天気予報が晴れでも、山や湖畔では夕方から一気に冷え込むことがある。子どもは大人より体温調整が苦手だ。夜間や早朝の冷え込みは想像以上に体力を奪う。
レインウエアも同じで、突然の通り雨や朝露で濡れると、体温はすぐ下がる。結果的に、その日のアクティビティを楽しめなくなってしまう。
照明も外せない。キャンプ場の夜は本当に暗い。月明かりがある夜でも、足元の段差やペグ、ロープは見えにくい。メインランタンでサイト全体を照らしつつ、手元や移動用にヘッドライトやハンディライトを用意しておけば、夜間のトイレやテント内での着替えも安心だ。

救急セットは小さくてもいいが、内容はしっかり揃える。絆創膏、消毒液、虫刺され用の薬は基本。解熱剤や体温計もあると心強い。
キャンプ場によっては売店や自販機がない場所もあるので、最低限の飲料水と非常食は持参しておきたい。足りない分は現地調達で構わないが、“ゼロ”は避ける。
また、子どもの荷物は、体温・肌・安全を守ることを優先する。着替えはトップス多め、汗や水遊びのあとはすぐ替えられるようにしておく。夏場は帽子とサングラスも忘れないようにしたい。
こうして“減らさない物”を先に決めておけば、その後の荷物選びはぐっとシンプルになる。残すべき装備がはっきりしていれば、迷わず他の荷物を削れるし、現地で「しまった」を減らすことにもつながる。
2.多機能・兼用ギアを活用する
荷物を減らす近道は、“ひとつで何役もこなせるギア”を選ぶことだ。機能をまとめれば、その分だけバッグやコンテナに余裕が生まれる。

調理器具なら、鍋とフライパンを別々に持たずに済むセットが便利だ。「キャプテンスタッグ ラグナ ステンレスクッカーL」は、深型鍋とフライパン、フタがひとつにスタッキングでき、煮込みも炒め物もこれ一組でこなせる。収納時は鍋の中に食材や調理小物を入れられるので、スペースの有効活用にもつながる。

まな板は「スノーピーク マナイタセット M」のように折りたためるタイプなら、場所も取らないし、包丁も収納できて便利だ。

ファニチャーは、収納と座席を兼ねるタイプが有効。「DOD ヨクミルヤーツ」は中にギアを入れたまま持ち運びでき、そのまま椅子としても使える。これなら別途、椅子を用意する必要がない。

特に省スペース効果が大きいのが「ユニフレーム フィールドラック」。ラックとしての使用はもちろん、天板を載せればテーブルになり、クーラーボックス台や調理台としても活躍する。

複数段に積み重ねられるため、サイトの縦スペースを有効に使え、収納時はわずか1枚の板状になる。大きなファミリー用テーブルを持って行かなくても、このラックを数台組み合わせれば十分な作業スペースと食事スペースを確保できる。
こうした兼用ギアや省スペース設計の道具を取り入れれば、荷物の総量は確実に減り、設営・撤収もスムーズになる。現地での動線も整理され、家族が快適に過ごせる時間が増える。
3.サイトまでの運搬を効率化する
荷物が多いと感じるのは、その量そのものよりも、運搬の大変さによるところが大きい。キャンプ場に着いてからサイトまでの移動は、ファミリーキャンプで最も体力を使う場面のひとつだ。だからこそ、運搬手段を工夫して負担を減らすことが大切だ。

まず定番はキャリーワゴン。「コールマン アウトドアワゴン」は耐荷重100kgで、テントやタープ、クーラーボックスなどをまとめて運べる。大型タイヤは芝や砂利道に強く、折りたたみ式なので車載時もかさばらない。

もうひとつの選択肢が「DOD フォールディングキャリーワゴン」。タイヤ幅が広く、砂地や未舗装路でも安定感があり、荷崩れ防止ベルトやサイドポケットなど実用的な装備がそろっている。積載量や安定性を重視するなら頼もしい存在だ。

さらに目先を変えた選択肢として、「サンワダイレクト キャリーカート&アウトドアテーブル」も面白い。荷物運搬用の台車として使えるうえ、現地ではそのままテーブルに早変わりする2WAY仕様だ。
耐荷重は約100kg、14cm径の大型キャスターは未舗装路にも対応。折りたためば厚さ約10cmになり、車載の隙間にも収まる。
こうした運搬手段をサイトや地形に合わせて使い分ければ、設営前に体力を削られることなく、余裕を持ってキャンプを始められる。
4.現地サービスを活用する
荷物を減らす一番の近道は、そもそも持って行かないことだ。最近のキャンプ場はレンタルや売店が充実しており、必要なものを現地でそろえることができる。
テントやタープ、BBQコンロといった大型ギアから、チェアや調理器具、寝具まで貸し出してくれる施設も少なくない。

例えば、関東近郊の「PICA富士西湖」ではテント、タープからランタン、調理用具までレンタル可能。ビギナー向けの「キャンプスタートパック」もおすすめだ。

さらに、群馬県の「北軽井沢スウィートグラス」もレンタルが充実しており、テントやタープ、ダッチオーブンなどを借りられる。手間のかかる大型ギアを現地でそろえられるのは大きな魅力だ。
また、最近はキャンプ場内にミニショップを併設している場所も多い。氷や薪はもちろん、忘れ物が多いカトラリーや調味料、着火剤なども現地で調達できるので、事前の荷造りを軽くできる。
但し、何をレンタルできるか、そして何を現地で購入できるかはキャンプ場ごとに異なる。利用当日に「あれも借りられると思っていたのに」とならないよう、公式サイトや電話で事前に確認しておくことが大切だ。
5.まとめ
荷物が多いと、積み込みから運搬、設営まで、すべての行程で余計なエネルギーを使うことになる。
けれども、ギアを選び直し、運び方を工夫し、現地のサービスを活用すれば、その負担は想像以上に軽くなる。
荷物が減れば、移動はもっと軽やかになり、設営は短く済み、キャンプの時間は長くなる。それは単なる“身軽さ”ではなく、家族と過ごす時間や自然の中で得られる体験の密度を高めることにつながる。
次のキャンプでは、ただ持っていくものを削るのではなく、「何を持っていかないか」を選ぶところから始めてみよう。