どれを選べば正解?テント迷子を救う代表的な6タイプを徹底解説!
キャンプ用品の中でも、もっとも悩みやすいのがテントの選び方。メーカーごとに多種多様なモデルが並び、専門用語も多く、初心者にとっては違いがわかりにくい。
そこで、この記事ではテントの代表的な種類について、それぞれの特徴や向いているスタイル、注意点までをわかりやすく解説する。これらを押さえておけば、数あるテントの中から自分に合った一張りを選びやすくなるはずだ。
1. ドームテント/万能型で迷ったらこれ!

最もスタンダードで人気が高いのがドームテントだ。2本以上のポールをクロスさせて立ち上げる構造で、自立式のためどこでも設営できるのが大きな魅力である。地面の状態に関わらず安定して立つうえ、慣れれば10分程度で組み立てられるものも多く、初心者が最初に選ぶならまずこのタイプが候補に挙がるだろう。

万能型ゆえに、ソロからファミリーまで幅広いサイズ展開があるのも特徴だ。居住性こそ大型テントに及ばないが、コンパクトさと汎用性のバランスが取れている。風にも比較的強く、山間部や海沿いなど環境が厳しい場所でも活躍してくれる。
一方で、内部空間は天井が低くなりやすく、大人数での使用や長期滞在にはやや不向きだ。リビングスペースを確保したいなら、後述するツールームやトンネル型を検討したほうがいい。
2. ツールームテント/寝室とリビングを分けて使える快適派

ファミリーキャンプや長期滞在型のキャンプで人気が高いのがツールームテントだ。名前の通り、「寝室」と「リビングスペース」の2つの空間をひとつの幕体で確保できる構造が特徴で、テントとタープを別々に設営する必要がない。居住空間にゆとりが生まれるため、雨天時でも快適に過ごせる点は大きなメリットだ。
テーブルやチェアを置いてリビング空間として使える前室部分は、食事やくつろぎの時間を過ごすのに最適である。メッシュパネル付きのモデルを選べば、虫を避けながら風通しも確保でき、夏場のキャンプでも快適に過ごせる。

ただし、大型で重量があるため、設営・撤収には時間と労力がかかる点は覚えておきたい。車移動が前提のキャンプでこそ真価を発揮するテントであり、「設営の手軽さ」よりも「快適性と居住性」を重視する人に向いている。
3. ワンポールテント/設営時短&雰囲気抜群

設営の速さとデザイン性で人気を集めているのがワンポールテントだ。名前の通り、中央に1本のポールを立てて幕体を引っ張るだけで完成する構造で、慣れれば数分で設営が完了する。三角錐のシルエットは自然の中に美しく映え、サイト全体の雰囲気をぐっと引き締めてくれる。
軽量かつコンパクトなモデルが多く、ソロやデュオなど少人数キャンプとの相性が良い。装備をできるだけ減らしたいミニマル派や、ブッシュクラフト志向のキャンパーにも人気が高い。

ただし、構造上どうしても中央の支柱が空間を圧迫する点は避けられない。また、円錐形は風を受け流しやすい一方で、幕体の張り具合に左右されやすく、設営に慣れないうちはバランスを取るのが難しいこともある。快適性よりも“設営の手軽さと雰囲気”を優先したい人に向いている。
4. トンネル型テント/快適性と広さ重視なら

トンネル型テントは、アーチ状のポールを複数本連ねて筒状に立ち上げるタイプだ。内部空間が広く天井も高いため、居住性は抜群である。リビングと寝室を分けたり、荷物を広げたりといった自由度も高く、ファミリーキャンプや長期滞在に最適なテントと言えるだろう。

また、前室が広くとれるモデルが多く、雨天時でも調理やくつろぎのスペースを確保しやすい点も大きな魅力だ。設営後の快適さという点では、他のタイプを大きく上回る。
一方で、自立しない構造のためペグ打ちが必須であり、地面が硬い・柔らかいなどの条件に左右されやすい。また、ドーム型に比べて設営に時間がかかるため、手軽さよりも快適性を優先したい人向けのテントだといえる。
5. ロッジ型テント/家のような居住性を求めるなら
ロッジ型テントは、まるで小さな家のような直方体の形をした大型テントだ。壁が垂直に近く、天井も高いため、立ったまま動き回れるほどの居住空間を確保できる。室内空間が広いだけでなく、レイアウトの自由度が高い点も特徴で、テーブルやチェア、コットなどを置いて“家のようなリビング空間”を作ることができる。

ファミリーキャンプやグループでの長期滞在、あるいはグランピング志向のキャンプスタイルに向いている。一度設営してしまえば、快適さでは他の追随を許さない。
ただし、重量が重く、収納サイズも大きいため、持ち運びには車がほぼ必須となる。設営にも時間がかかるため、気軽なデイキャンプには不向きだ。キャンプ場に腰を据えて滞在するスタイルにこそ、本領を発揮するテントである。
6. パップテント/ミリタリー風の軽量・簡素なタイプ
最後に紹介するパップテントは、元々軍用幕として使われてきたシンプルな構造のテントである。簡素な作りで、重量が軽く、収納サイズも非常にコンパクトだ。徒歩や自転車、バイクなどでキャンプをする人や、ミニマルな装備を好むブッシュクラフト派のキャンパーに人気が高い。

前室がなく空間が狭いため、快適性は低いものの、その「必要最低限さ」こそが魅力でもある。焚き火や自然との一体感を重視する“野営的”なキャンプスタイルと相性がよく、ソロキャンプでの根強い人気を誇る。
一方で、雨天時や寒冷地では不便を感じやすいため、快適な空間を求める人には向かない。あくまで軽さと簡便さを最優先する人向けの選択肢である。
7. まとめ
テントには多くの種類が存在するが、まずは自分がキャンプで何を重視するのか──「設営のしやすさ」「居住性」「携帯性」などの優先順位を整理してみよう。そのうえで、この中から方向性を定めれば、テント選びは驚くほどシンプルになる。
テントはキャンプの快適さを大きく左右するギアだ。基本形を正しく理解して、自分のスタイルに合った一張りを見つけてほしい。