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アウトドアタウンとして注目の埼玉県・ときがわ町で、地元を盛り上げる「野あそび夫婦」

2022.09.19

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埼玉・ときがわ町でキャンプ民泊NONIWAを運営するアオさん(青木達也さん)とエリーさん(青木江梨子さん)。夫婦でキャンプインストラクター資格を取得し、のどかな里山を舞台に、キャンプ×民泊という新しい発想の体験施設を運営している。

レンタル道具が並び、気分が高まるNONIWAの母屋。「夏は扇風機や保冷剤を用意しています。キャンプの場合、とくに撤収時は時間を気にして集中しすぎて、熱中症になりやすいので気をつけて」

妻・エリーさんは幼少期よりファミキャンを楽しんでいた。 「キャンプは多忙な父といっしょに遊べる時間。待っているだけではダメだと思って弟と私も積極的にお手伝いしていました。この経験から〝キャンプはチーム〟だという思いがあり、2016年に結婚したのを機にアオに提案したんです」

いっぽう、夫・アオさんのデビューは結婚の1年ほど前に学生時代の友人と。「サブカル系でアウトドアとは無縁でした。なのに、木崎湖のキャンプ場でアメニティドームに5人の大人が寝たんですから大変。僕はみんなの足の先に横たわる状態で、マットもペラペラのものが1枚だったし」

「狭い、寒い、地面が硬い」と、まぁまぁ過酷なデビューだが、エリーさんの提案に乗ったのだから大したものだ。結局、新婚旅行の予算をキャンプ道具にするほど、夫婦でのめり込んだという。

「ちゃんとした道具をちゃんと使えば、快適になると知りました」とアオさんは振り返る。相当な予算をキャンプに割いたふたりなのだから、さぞや快適性を追求したことだろうと思いきや、「不思議なもので体って慣れる。今ではクローズドセルマットで十分だし、冬はその上にインフレーターマットを敷けば、ぐっすり眠れるようになりました」(アオさん)。

そんなふたりの経験があるからだろう、NONIWAでは初心者の気持ちに寄り添った講習が評判だ。

送迎&車上泊用バン。「最初は素のバンだったんですが、送迎に使うと、ときがわの魅力が半減しそうで。そのころ、バンをカスタムするシエルブルーのワカさんと出会い、いっしょに作り上げました」

現在はポールを天井に突き立てるテントやシェルターが人気だが、NONIWAの講習はドームテントとタープ。エリーさんによると「スタンダードなテントとタープの建て方や構造を知っておけば、応用が利きます。その後、好きなテントを購入したときに慌てずにすみますから」がその理由だ。決して野あそび夫婦流のキャンプを押しつけることはない。

「ドームはどんな地面でも設営できるので初心者も安心ですが、フレームを湾曲させるのが怖い、力が弱くて建てるのが大変だと考える人が多いみたい。そのため、ワンポールを希望する人には、テンマクのパンダテントで設営体験してもらいます」(アオさん)

聞けばソロキャンブームの影響か、参加者の希望するスタイルも変化しているという。

「以前は、ソロ講習であってもファミキャン経験者が多かったのですが、昨年からキャンプ未経験で徒歩のソロキャンプを目指す人が増えています。道具の数も重量も、限られたうえで快適さを求めるのはハードルが高い。キャンプ未経験だと地面の硬さも不安だろうし」(アオさん)と、今まで以上に参加者の好みや性格を探る必要が出てきており、提案する道具の選択も慎重にならざるを得ない。

地域とコラボレーションしたオリジナル商品が多数。中央にあるのは野あそび夫婦が監修した『ソロキャンプ大事典』で、ある編集者が講習会に参加したことにより、企画がスタートしたという。

頑固さはなく、変化にしなやかに対応する。これが、NONIWAが支持される理由だ。そしてこのしなやかな対応力で、次なるプランも進行中だ。

「新店舗をつくっているところです。ギアの販売もするけれど、いろいろな人を呼んで講習やツアーの舞台になればいいなと。ときがわ町はクワガタの住む山があり、ホタルが飛ぶ川もある。自治体中心ではなく、若い自営業者が多く、みんなで盛り上げようというムーブメントもある。協業も盛んです。今後、キャンプを通じて、ときがわ=アウトドアタウンと認知してもらえるようになれば最高です」と声をそろえた。

PHOTO/逢坂 聡
TEXT/大森弘恵
出典:ガルヴィ2022年8月号

執筆者プロフィール

ガルヴィ編集部
1991年創刊のアウトドア・キャンプマガジン『GARVY -ガルヴィ-』編集部。春夏秋冬、フィールドやイベントを駆け回っています!

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