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【サバイバル】姫乃たまの「おそとで生きるもん!」 第1回:竹を刈って流しそうめん(前編)【キャンプ】

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2020/09/29

 はじめまして、姫乃たまです。

 目標はナイフ一本だけで、山でキャンプができるようになることです。

握ってるのはナタ! 髪がすごく短いですが特に意味はありません!

 いまのところキャンプ経験は一度だけ。

 周囲の友人たちが30歳を越えたあたりから次々とキャンプにハマり、いままで集まると言えば、飲み屋でだらだらするだけだったのが、ある日突然、キャンプ場へ連れて行かれることに。

 移動はクルマで、運転もお任せ。おろおろしている間に、テントとタープが張られ、可愛らしい飾りつけ(!)までされた簡易キッチンが完成しました。

 キャンプ飯もどんどん出来上がって、座っているだけなのにこれでもかとごちそうになり、実家以上にもてなされました。

 これをキャンプ経験と呼んでいいのか……。

 そんなキャンプ初心者の私が目標へと近づくために、今回は庭で流しそうめんをすることにしました。しかも竹を伐採するところから。

 まず始めにやることは他にもあるんじゃないのか。そんな声がたくさん聞こえてきそうですが、素人が目標に向かって見切り発車するとこういうことになります。

 目標達成と、ついでに私の髪が伸びていく過程も長い目で見ていただけたら幸いです。

達成感に溢れた流しそうめん写真ですが、ここに辿り着くまで様々な苦労がありました……

 ツイッターで竹を刈らせてくれる人を募集したところ、野食ハンターの茸本朗さん(https://www.outdoorfoodgathering.jp/)から連絡があり、茸本さんの友達の友達のご実家の竹林で、本当に竹を刈らせてもらえることになりました!

 真っ赤なTシャツで現れた編集担当・風来堂(http://furaido.net)のIさん、Nちゃんとクルマで埼玉県某所へ。

 初めて見る竹林は、土がふかふかと豊かに湿っていて、終わりが見えないほど遠くまで広がっているのに圧倒されました。あと藪蚊がすごい。

 茸本さんの友達と友達から「自由に切ってください」と言われたものの、いきなり竹を切りつけるのも気が引けて、蚊除けのダンスをしながら躊躇っていると、Nちゃんが鳥居を発見。

手を合わせてご挨拶したら、伐採を許された気がしました。ここには土地神様が祀られているのだとか

 竹はノコギリで水平に切るか、ナタで斜めに叩き斬ります(いつかチェーンソーが使えるようになるといいですね)。

「竹を割る道具って人も割れるからね!」

 この後、流しそうめんに参加予定の漫画家・凸ノ高秀さん(https://twitter.com/totsuno?s=09)から言われたのを思い出して、慎重にノコギリで切ることに。

初めての伐採。すくすく育っている竹は動物みたいで、刃物を当てると緊張します

 藪蚊対策で小刻みに揺れながら懸命に竹の根元を切っていたら、一瞬土の下に細長い虫の姿が。ウワー!

 竹から飛び退いた私にIさんが「交代しましょうか」と声をかけてくれたけど、さすがに根元をちょっと切っただけで交代してもらうわけにはいきません。だって、最終的にはナイフ一本で山に入りますと豪語して始まった連載だから!!!

 なんとしても私が切る! でも虫怖い! 地面に近い右手が怖い! 

 とにかく足元を見ないように、明後日の方向を向いて切る。そっちのほうがずっと危ない。しかし人生は正論だけではやっていけない。

ウワー、絶対に足元見ないぞ、足元見ないぞ! 遠くを見て視界をぼやけさせる!

 竹林では、根元を完全に切っても竹は倒れてきません。上のほうで葉っぱ同士が絡まっているのです。切ったら倒す!

 そして一度倒すと竹林の中で長い竹を方向転換するのは難しいので、倒す向きはあらかじめ決めておきましょう。倒してから苦労します(しました)。

必死に竹を倒しながら、撮影係のNちゃんに「赤いシャツ主張強過ぎます!」とダメ出しされるIさん

 すでに3人とも蚊に刺されで顔がぼこぼこになっていますが、竹一本そのままクルマには積めないので、ノコギリで分割して、枝葉も切っていきます。

 竹は切ると、中が真っ白でぽっかり空洞です。知ってはいたけれど、竹林の中で土のついていない白を見ると、しみじみ感動します。

 枝葉も簡単にぽきぽき折れるイメージでしたが、意外に頑丈で、小さいノコギリを使わないと取れませんでした。触ってみないとわからないことがたくさんあります。

この白さ! 土も虫も、まだ誰も触れていない明るさに驚かされます

 麺つゆを入れる容器のために、今度はナタを使って細めの竹を刈りました。虫への恐怖を断ち切るように叩く! 叩く! 叩き斬る!

 これが大雑把な性格に合っていたようで、ノコギリよりもスムーズに刈れました。目標を達成する日が来たら、ナイフじゃなくてナタを持って山へ行こうと思います。

ナタで切った竹は切り口が危ないので運搬の際は要注意ですよ!

 結局太いのと細いのと、2本の竹を刈って分解しました。

 竹林にいるうちにスケール感がおかしくなったようで、駐車場まで運び込んだら竹が長すぎて、さらに短くカットすることに。

竹林から戻って来るとクルマがすごく小さく見えます

 全身どろどろ、顔はボコボコですが、いまから都内に戻ってこの竹を流しそうめんのセットに組み立てなければいけません。

 帰り際、茸本さんの友達の友達にお礼をすると、目標達成までに挑戦すべきことをたくさんアドバイスしてくれました。

「連載のどっかでやっぱり虫は食べたほうがいいと思いますよ」

 ううむ、まだまだ道のりは遠そうです。

【次回予告】
 早くも虫対策という永遠の課題にぶつかってしまいました……。
 今回は竹の伐採まで。次回はこの竹を組み立てて流しそうめんに挑戦します。秋でもおいしい食べ方もご紹介。お楽しみに!

【プロフィール】

姫乃たま(ひめの たま)
@Himeeeno

1993年、東京都生まれ。10年間の地下アイドル活動を経て、2019年にメジャーデビュー。同年4月に地下アイドルの看板を下ろし、文筆業を中心にトークイベントにも数多く出演している。
2015年、現役地下アイドルとして地下アイドルの生態をまとめた『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)を出版。著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『周縁漫画界 漫画の世界で生きる14人のインタビュー集』(KADOKAWA)など。音楽活動では作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『パノラマ街道まっしぐら』『僕とジョルジュ』などがある。
HP:
http://himenotama.com/

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