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焚き火準備中に子供が遊び出したら怒る? 外遊び時の親の心得

2021.06.03

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キャンプの醍醐味ともいえ、大人だけじゃなく、子どもも大好きな野外遊び。一度、野外にとび出してしまえば、そこに「子育て」は不要で、子どもは遊びを介して自ら育つものです。そんな「子育ち」をテーマに、毎回さまざまなゲストをお呼びしてお話を聞く連載。第一回目は、子どもが自由にのびのび遊べる環境作りに長年取り組んできた「プレーパークせたがや」にフォーカス。羽根木プレーパークに7年間常駐し、今は遊びを公園に“出前”するプレーカー事業を担うプレーワーカーの竹中和美さんに、子どもがのびのび育つ野外遊びについて訊ねます。

世田谷区内4箇所にあるプレーパークには、常駐のプレーワーカーや地域の大人が見守るなか、子どもが自由にのびのび遊べる環境があります。コロナ禍で野外が好まれるようになったこともあり、2020年までの2年間で利用者数は約2万人増加。都内の貴重な遊び場としての存在感を強めています。

子どもは遊びのなかで育つ。階段のない滑り台のワケ

――プレーパークでは“遊育”という言葉で、子どもが遊びのなかで育つことを唱えています。そのためにはどんな環境が必要でしょうか?

竹中さん:子どものやりたい!やってみたい!から始まることが、子どもの遊びだと思います。緊急事態宣言下では遊具を閉鎖する公園も多いですが、平時であっても、今公園にはさまざまな禁止看板が立っています。ボール遊びができなかったり、大きな声を出すこともはばかられるような。また、遊具に関しては「こう遊んでください」と指示があり、それ以外の遊び方を禁止している。公園は遊びの場なのに、子どもたちが思い切り遊べる環境ではなくなりつつあるのかな、と心配です。

――プレーパークにはそういった禁止事項はないのでしょうか?

竹中さん:ほとんどありません。常駐のプレーワーカーや地域のボランティアスタッフが見守るなかで、火熾し、穴掘り、木登り、泥遊びなど、自由に遊ぶことができます。例えば、プレーパークには3m弱の高さのある滑り台があります。それには階段はなく、滑りたければ斜面を駆け上がるか横からよじ登るなど、自分で工夫するしかありません。3mは落ちたら大怪我に繋がる高さ。その高さと恐さを感じながら自分の力で登ることで、ケガをするリスクが少なくなると考えています。

――親の立場からすると、滑り台で子どもが斜面を駆け上っていたら、そこから登るんじゃないよと止めてしまいそうです。

竹中さん:プレーパークの滑り台は斜面の幅が広く、どこから登っても滑ってもOKです。滑る子と登る子がぶつかることも稀にありますが、その時は、お互い見てなかったね、ごめんね、でおしまい。親御さんがお子さんを抱っこして遊具に乗せたり、子どもを急かしたりする姿を見たときにはお声がけして、遊具のハードルのことや子どもが挑戦する中で考えたり感じたりすることがあるということを伝えています。

――子どもが自分のペースで遊ぶことを重視されているんですね。

竹中さん:そうなんです。まだ小さい子などは、遊具に登れないのが悔しくて泣き出すこともありますが、大きい子の動きを真似したりしながらコツを掴んで、いつの間にかふいっと登れちゃったりして。そういう子どもの気持ちの強さや観察力は、本当に見事。誰かに教えられるのではなく、自分の感覚で掴んでいく。それらは遊びのなかで自然に行われていくように思います。

野外はゼロから遊びを作るのにピッタリの場

――プレーカー事業では、車に遊び道具を満載して、地域の公園に遊びの“出前”もされていますね。

竹中さん:木材や工作道具、なわとび、シャボン玉、こま、焚き火用の薪や炭もありますし、お絵かきグッズのような通常屋内で遊ぶようなアイテムも持参します。普段お家で遊んでいる物も、外で遊ぶと新鮮だったりもするんですよ。

――持ち物が限られるキャンプやアウトドアシーンで、最低限これがあれば、というものはありますか?

竹中さん:うーん、特にないかもしれません。私たちがやっているのは、あくまで子どもの遊びのきっかけ作りです。道具を準備するだけが全てじゃないと思っていて。その意味では、野外には子どもの興味を引くきっかけが随所に散らばっていて、その上すぐに触れることができる。風の匂いをかぎ、お日様の暖かさを感じるだけでも良いですし、草花があって、虫がいて、野外は刺激に溢れています。どんな虫がいる?どんな花が咲いている?などと親子で観察するだけでも、子どもにとっては十分楽しいことだったりします。

――野外では、身近なものがなんでも遊びになるんですね。

竹中さん:そうなんです。プレーパークに初めて来た子は「何ができるんですか?」とよく聞いてきますが「なんでもやりたいことやっていいよ!でもやらなくてもいいよ!」と答えていて。ただ、物が溢れる時代の今、何もないところに放り出されると、何して良いのか分からなくなる子も多いのは確か。でもそんな子も初めは手持ち無沙汰そうに歩き回っていたりしますが、これだと思うものを見つけたら集中して遊び始めたりもする。時間はかかるかもしれませんが、その子なりに遊びを見つけていくものです。なので子どもが暇そうだなと思っても、何か探しているのかもしれないし、まずは観察してください。場合によっては大人が待つ時間も必要ですし、一緒に探しても良いし、大人が先に遊び始めるのもありですよね。

子どもの遊びは変化する。大人がゴールを決めないこと

――周りにあるちょっとした素材で遊べるようになると、遊び以外にも色々と考える癖がつきそうです。

竹中さん:例えば、私が好きなのは葉っぱ遊び。秋口には、落ち葉で山を作ってそこへ飛び込んだり、子ども達と落ち葉のかけ合いをしたり。乳幼児から中高生まで一緒に遊べるくらい単純な遊びだけれど、すごく盛り上がるんです。また、色や形の違う葉っぱを並べて絵を作ったり、葉っぱを爪やハサミで切り抜いて動物やキャラクターを作ったりするのも人気で、みんな集中して遊んでいます。最終的には本に挟んで平らにしたり、ラミネートして残すこともできます。

――葉っぱだけでそこまで遊べるとは。石やどんぐりも使えそうですね。

竹中さん:河原では石も十分遊び道具になります。並べたり積んでみるだけでも意外と楽しかったり、それぞれの石が何に見えるか言い合うのも楽しいです。作品作りに没頭する子がいれば、葉っぱや石集めから虫探しが楽しくなってそっちに走る子もいる。何が遊びに繋がるかは子どもの関心によって違いますし、遊んでいくうちに遊びはどんどん変化していくもの。大切なのは、大人がゴールを決めないことです。

――確かに大人目線だと「今からこれをやる」と決めたのに子どもが違う方向に走ったら、モヤっとしてしまいそうです。

竹中さん:大人は結果を出したい、形にしたいと思いがちです。例えば、焚き火の準備をしている時、子どもたちが薪を積み木のようにして遊び始めたら「焚き火に使うからちょうだい」と言いたくなりますね。そうなると、子供はせっかく遊びを見つけて楽しんでいたのが止められちゃうし、大人もイライラ。そんな時は「それでもいいか!」という気持ちで、子どもの遊びの変化を一緒に楽しめるとお互いに楽になりますよ。

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