上級キャンパーはどのように車中泊してる?天才すぎるテクニックやこだわりが凄すぎる!
①上級キャンパーはどのように車中泊してる?天才すぎるテクニックやこだわりが凄すぎる!
自分のスタイルで楽しめるのが車中泊のよいところだが、気がついたらマンネリになっていることも。
そこで今回は上級キャンパーたちの車中泊スタイルを紹介しよう。
ヒントになることや真似したくなるテクニックがあるかもしれないぞ!
30年前のクルマで車中泊する馬場さん
馬場さんの愛車は30年前のVW・ヴァナゴンのウェストファリア仕様。
このクルマになってから、車中泊が格段に増えたという。その楽しみっぷりを紹介しよう!
馬場さん
岐阜県で会社を営む馬場さんは、旅好き&アウトドア好きのアラフィフ。
これまでさまざまな海外を旅してきたが、最近、日本の魅力を再発見。
今後は、愛車とともに国内を回りたいと考えている。
車中泊好きが支持するクラシカルで実用的なクルマ
馬場さんの愛車は2021年3月に購入したというVW・ヴァナゴンのウエストファリア仕様。
クラシカルかつ実用的なモデルで、車中泊好きのなかでも人気は高い。
さすがに約30年前のモデルなだけに、ボディは再塗装を施し、ルーフトップの生地も変更したという。
「以前はアメ車のキャンピングカーに乗っていたこともありました。このヴァナゴンは購入してから1年ぐらいたちますが、“かわいくて味がある”ところが気に入っています」
いまでは珍しいMT、そして4WDのため、多少の悪路なら気にせず走ることができる。
馬場さんが考える車中泊キャンプのキーワードは「楽(らく)」。
「このクルマになってから、車中泊する頻度が格段に増えました。いまのスタイルなら、この一台で完結できる。旅先では、できるだけ手間を減らして、シンプルに楽しみたいんです」
とはいえ、馬場さんならではのこだわりもいくつか。
使用するアイテムは、“味のある、かわいいもの”が好き。その最たるものが、愛車なのだという。
「見た目や雰囲気も、もちろん気に入っていますが、実用性も高いんです。
ポップアップルーフでは、子どもと一緒のときは上に寝ることもあります。開けたら車内空間が広くなる。簡単に開閉ができるのもうれしい」
馬場さんがいま好きなものを、ひとつひとつそろえたら、このスタイルになっていたという車中泊キャンプ。
機能は「楽」に、見た目はかわいく、オシャレに。
これからも、こだわりをもって続けていけたら、と語ってくれた。
馬場さんのこだわりスタイル
鮮やかなイエローが映えるルーフトップは、外観をさらにファニーに演出。
リアにはスペシャライズドのMTBを2台搭載。
「MTBはアウトドア・アクティビティとしても、もちろん楽しいですが、旅先で“足”として使用します。
クルマを置いて、そこから移動するときに、MTBがあると便利なんです」と馬場さん。
韓国のブランドchichicampingのローテーブルとヘリノックスのチェアを設置。
テーブルにはスタンレーのボトルやコンロ、大好きなお酒が並ぶ。
ひとりで使用するなら、必要十分なベッドスペース。
スタイリッシュなペンドルトンのラグから、馬場さんのセンスのよさを感じる。
ルーフトップを開けば、ヘッドクリアランスがさらに広がり、着替えをするときなども圧迫感はない。
ベアボーンズのLEDランタンやレトロな扇風機も車内のイメージにぴったり。
棚の上部を開けば、簡易キッチンが姿を現す。
ワイルドなスタイルを愛するMARIさん
車中泊キャンプは、いま女性ソロキャンパーからも人気を博しているスタイル。
しかしその多くは、軽ワンボックスカーを中心とするコンパクトモデルが主流だ。
そこでワイルドなジープ・ラングラーでキャンプしているMARIさんに話を聞いてみた!
MARIさん
愛知県や岐阜県を拠点に車中泊キャンプを楽しむオーバーランダーガール。
アウトドアライフの模様は、SNSやYouTube「好奇心CHANNEL feel my heart」で発信している。
身軽さを追求したワイルドなスタイル
「オーバーランドスタイルを、日本の女性に、もっと浸透させていきたいんです!」
そうまぶしい笑顔で話をしてくれたのは、愛知県在住のМARIさんだ。
ワイルドなジープ・ラングラーの屋根には、いま大人気のルーフトップテントが装着されており、なかなか硬派な雰囲気を醸し出している。
キャンプを始めたくてクルマを買って……。でも、通常のテント泊ではなく、なぜ屋根の上のテントに?
「通常のテントも持っていますよ。テンマクのワンポールです。
でもルーフトップテントのカッコよさが気に入ってしまって。気がつけば、いまので3台目です」
車中泊キャンプ……というか車上泊キャンプなのだが、クルマで寝るポイントは「身軽さ」だというMARIさん。
「気ままに行動できるのがポイントです。もちろん、どこでも泊まれるわけではありませんが、身軽に動けるのが自分に合っていると思います」
今回、撮影のためにセッティングしてくれたのだが、確かにかかった時間は5〜10分。撤収も同じくらい。
料理や焚き火をしたら、その時間はかかるが、仲間のキャンパーたちと比べても、準備・撤収に費やす時間は圧倒的に短いという。
「快適度やスタイリッシュなカッコよさにこだわりつつ、さっと準備して、さっと撤収できる。
でも、まだまだイメージしているスタイルの完成型には届いていません。次はリアゲートキッチンに引き出し式のテーブルをDIYするんです。それも見てほしかったなぁ。あと、リアにスペアタイヤも装着しますよ」
MARIさんのこだわりスタイル
ルーフトップテントはジーアイワークス製。わずか1分ほどで開閉できる手軽さが気に入っているという。
テント上部は高純度アルミニウム合金を採用。
アルミニウム合金の内部が空洞になっていて、日光の熱をテント内に伝わりにくくしている。
折りたたみ式のラダーも付属。
リアには、スミッティービルトのディフェンダーラック、テールゲートバスケットを装着。
JVCケンウッドJackeryのポータブル電源、エンゲルの冷蔵庫などは車内のラゲッジで使用。
リアゲートキッチンでは、プリムスの2バーナーにペトロマックスのダッチオーブン、ノーブランドのスキレットを愛用。
サイドオーニングはダンチェル製。これだけで野外リビング感が増す。
風が強いときなど、状況によってはガイロープで補強する。
このペグダウンだけが、MARIさんのセッティングのなかで、唯一、少し時間がかかる作業かもしれない。といっても、10分くらいだろうか。
ペトロマックスのお皿やパーコレーター、ミンテージのジャグ、スタンレーのカップ&ポッド、SOTOのST-301など、こだわりの小物がいっぱい!
イスはノーブランドだが座り心地で選んだとのこと。
バトニングを行うキンドリングクラッカー以外、ほぼ山賊マウンテンのアイテムでそろえたという焚き火周辺アイテム。
焚き火台は大小あり、使い分けるという。
ペットとの車中泊を楽しむ木村さん
ペットキャンプが人気だが、愛猫との車中泊を楽しむのは木村さんご夫妻。
どんなスタイルなのか、興味津々!
木村さんご夫妻
キャンプ歴20年のベテランキャンパー。
スノーピークユーザーで、元々はテント&タープを使ってキャンプを楽しんでいたとのこと。
愛猫のアッシュくんと凛ちゃんはとても仲良しで、安心してキャンプに連れて行ける。
「ペットとのキャンプは心の底から癒されます」
愛猫と一緒に旅ができる大型バンコンバージョン
「もともとはテント泊でキャンプをしていましたが、昔からキャンピングカーに乗ることは夢でした。ちょうど3年前くらいに、クルマの買い替えのタイミングで思いきって購入したんです」と話す木村さんご夫婦。
愛猫とのキャンプでは外での就寝はできないので、一緒に過ごす意味でもキャンピングカーは相性がいい。
外に連れ出すときは、ペットカートに入れて一緒に過ごしている。
キャンピングカーとキャンプを上手に組み合わせた木村さんご夫婦のスタイルは、両者のメリットを生かした理想の形なのかもしれない。
トイファクトリーの「バーデン」は2代目のバンコン。
「ルーフにソーラーパネルを付けて電力補給もバッチリです!」
ベンチにロゴスのクッション、さらにペンドルトンのタオルを敷いてふかふかな座り心地に!
ユニフレームのフィールドラックはスタッキングが可能。
レッドはワイルドワンの限定品。
お持ちのギアを拝見!
就寝は車内なので、寝具がない分コンパクトな印象。荷物はクルマの後部の下段にまとめて収納している。
「外から収納部が見えないように、コールマンのかわいいテーブルクロス(廃盤)をカーテン代わりに使っています」
イワタニのマーベラスは初代のポップなカラーがお好み。
「これでフレンチトーストを作るのが好きなんです」
スノーピークのリビングシェルSは、コンパクトなつくりで少人数にピッタリ。
パネルを少し下ろして通気性も向上
スノーピークのタクードは旦那さんのお気に入りギア。
「今まで使った中で、イチバン暖房効果が高い石油ストーブです」
バンライフを実践するシエルブルーさん
ふだんから「バンライフ」を実践しているシエルブルーのお二人。
それは単なる車中泊ではなく、自身が持つ生活に対する考えを表現できる方法かもしれない。
Ciel Bleu シエルブルー
茨木一騎(ワカ)さん(右) 実伽(アネゴ)さん(左)
木製ファニチャーの製作やアウトドアコーディネーター、イベントプロデュースなど多岐に渡って活躍する夫婦デザイナーユニット。
いち早くバンライフスタイルを実践し、その魅力を伝えている。
思い立ったらすぐに出発。バンライフの魅力を知る
昨今、注目を集めている「バンライフ」と呼ばれるスタイル。
一度は耳にしたことのある読者も多いだろう。
まだ深く知られていないこのスタイルを日本でいち早く取り入れて活動する茨木一綺(ワカ)さんはそのメリットをこう話す。
「僕たちにとってバンライフは旅に出かける手段で、今の生活スタイルに合っていると感じています。
埼玉の自宅から、全国各地へアウトドアイベントなどの仕事で出かけるのですが、内装も外装も自分たちで作り上げたお気に入りの空間なので、すごく居心地がいい。
移動時間も家で過ごしているのに近い感覚です。
それに、キャンプ場に着いてからの設営や撤収がとにかく楽。
その分使える時間が増えたので、夫婦でゆっくりすることもできます」
そもそもバンライフはアメリカで発祥したカルチャーで、世捨て人、ヒッピー的なイメージがある〈家なしの車上泊生活〉という意味合いだ。
しかし日本では一部のノマド的車上生活の実践者を除き、日本の生活環境や考え方に合わせてアップデート(もしくはデフォルメ)された形でムーブメントを巻き起こしている。
好きなクルマをベースに、外装や車内を自由なアイデアでこだわりの空間に仕上げていくスタイルは、いわゆる車中泊とはひと味もふた味も違う。
シエルブルーの2人が実践するバンライフからは、自らを表現するようなこだわりと魅力が詰まっている。
バンライフを通じて表現するこだわりの空間と夫婦の時間
とある週末の午前中。ワカさんとアネゴさんは愛車であるバンライフ仕様のGMC ラリーワゴンに最小限の道具を積み込んでキャンプ場へ出発した。
この日は自宅からそれほど遠くない埼玉県・長瀞のキャンプ場で、久々の休日を過ごすことに。
道中で買い出しを済ませて、宿泊地である長瀞キャンプヴィレッジに到着したのは午後2時ごろ。
景色のいいサイトにクルマを停めて、電動で開閉するルーフトップテントを開いている間にカーサイドタープやファニチャーを設置。
あっという間に、キャンプサイトが出来上がった。
「このルーフトップテントは最近取り入れたんだけど、スマホ操作で自動設営できる最新型。
だからその間に他の準備ができて、思っていた以上にすごく便利なんだ」と、ワカさん。
寝袋はナンガの2人用シュラフで、寒さ知らず。車上からの景色も抜群だ。
車内にもリビングスペースを備えるが、この日はカーサイドタープを張る。
車上テントからの景色はこのスタイルならではの醍醐味。
日が暮れるとビールを手に乾杯をして、目まぐるしい春先の日々の疲れを互いに労う。
夜の時間をたっぷり味わう。これもバンライフの魅力。
この日は星空もきれいだったので、チェアを外に出して焚き火も楽しんだ。
一切慌ただしくなく、常に静かな時間が流れる。
「暮らしからアウトドアまで」。
シエルブルーの2人は常々この言葉を掲げている。普段の生活スタイルを切り取って、クルマとアウトドアをも上手につなげて楽しむ。
それが彼らのバンライフであり、シエルブルー流ライフスタイルの表現といってもいいだろう。
こだわりのある好きな道具に囲まれた空間にいる2人の表情は、自然体そのもの。
その自由な旅は、はじまったばかり。まだまだ続いていく。
➁“キャンプ上級者”は絶対やってる!簡単に収納の悩みを解決するアイテムが優秀すぎた…!
キャンプで意外と悩むのが小物収納ではないだろうか。
そこで今回は、小物の整理に便利なハンガーとポーチを紹介しよう。
ペグから三脚までいろんな棒に取り付けられる!
ミグラトレイルアドハンガー
3850円
■サイズ:16×2.8×4.3cm、重量:本体73g・アダプター19g
ランタンやカップなどを吊り下げておけるクランプタイプのハンガー。
10段階に角度を固定できるので、斜めになったポールやペグにも取り付け可能だ。
対応するポール径はφ7〜13mmまたはφ17〜23mm
精度の高いクランプ
アルミ合金のパイプクランプ。
かみ合わせの精度が高く、フック部分をうまく使えばロープに取り付けられるのがスゴイ。
シンプルだけどズレない角度調整機能付き
クランプには小さなポッチ、ハンガーには穴があり好きな角度に固定できる。
物理的に固定できるので力が弱い人も安心。
三脚用のアダプター付き
三脚のネジに取り付けられるアダプターがついていて三脚の一番上にも装着可能!
2段で小物を収納できる。
180度開脚+取り外しポーチが使いやすい
asobito ファーストエイドポーチ
3850円
■サイズ:15×5×H18cm、重量:165g
消毒薬や薬などをまとめたら、スナップボタンでベルトやバッグに装着。
湿気に強い防水帆布なのもアウトドア向きだ。
小物をゴムで固定できるのでスマホ関係のケーブルをまとめてもいい。
アウトドアに持ち出しやすい防水帆布
完全防水ではないものの、防水帆布なので露に濡れた草地に置いても大丈夫。
雨にあたっても、縫い目に気をつけて水気を拭いとればまず問題ない。
ポーチとベルトループはホック式
内側のポケットとベルトループはホック式で取り外し自由だし、そう簡単には外れないので安心して持ち運べる。
ベルトへの取り付け可能
ベルトループは1本で、歩くとブラブラするのが気になるかも。
バックパックの脇に取り付けるほうがいいかもしれない。
ティッシュや大判傷テープも入るポーチ
本体のゴムベルトに収まらない大判傷テープなんかは取り外しできるポケットへ。
片側がメッシュで中身を確認しやすいのもうれしい。
③バンライフ上級者のカスタマイズが神すぎる!快適な車中泊を過ごすためのテクニックを紹介
バンライフを実践しているデザイナー・ユニット「シエルブルー」の2人。
単にバンライフを楽しむだけでなく、自分たちのスタイルに合わせて車のカスタマイズも行なう。
そこで今回は、GMCラリーSTXの内装づくりをしている現場を覗かせてもらった!
Ciel Bleu シエルブルー 茨木一騎(ワカ)さん 実伽(アネゴ)さん
木製ファニチャーの製作やアウトドアコーディネーター、イベントプロデュースなど多岐に渡って活躍する夫婦デザイナーユニット。
いち早くバンライフスタイルを実践し、その魅力を伝えている。
内装カスタマイズのテクニックを大公開
今回、新たな相棒となったGMCラリーSTX。この内装をカスタマイズをしていく。
目指すはシエルブルーらしい、ウッドパネルに囲まれた空間。
まずは、余分なモノはすべて取り外されることに。
オリジナルのインテリアはブラウン系のカラーで統一され、厚みのある絨毯敷きの豪華な仕様になっていた。
これをまず徹底的に外していく。
内装を剥がしてみると、天井には新車時の断熱防音材がぎっしり。
まだその効果も期待できるので、現在の純正に少し追加してきっちり隙間を埋めることにした。
車内の取り外せるものをすべて取り外した。
窓枠なども外して、作業しやすい状態にしておくことが基本となる。
下地を整えてから隙間のない施工
下地となる板を張る工程。しっかり施工しないと、仕上がりに影響が出てしまう。
サイドパネルは、下地施工が甘いと、完成時に壁が動いてしまうことがあるのだ。
フロアはもともと付いていたカーペットを、タイヤハウス以外すべて取り外した。
取り外した後はきれいにして、穴などを埋めていく。
下地となる板を張ったら、仕上げのフローリング材をセンターから張る。
壁際やバックドア付近の曲線に合わせて、型紙を作り、木材をカット。
大きな部材なので、失敗しないよう採寸と加工は慎重に。
採寸と修正を繰り返す地道な作業
下地完成後、木材を張る。フロアには杉の羽目板を使用。
クルマに合わせて、いろいろな素材を使うが、今回はアンティークテイストを出すためにも、一般建材のフローリング材を使わずあえて羽目板を使った。
サイドウオールに細めの木材を張っていく。
ボディに型取りの厚紙をあてて、ハサミで切りながら採寸を行う。
それに合わせてジグソーで木材をカット。
ボディ表裏の形状や角度を確認して、修正という作業が繰り返される。
室内に飛び出している部分を避けるように、サイドパネルを張らなければいけないし、形も直線的ではないので加工に苦労する。
ライン通りに切っても、木材をクルマにあてがってみると、曲線がずれていたり、板がはまらないことも。
天井は最後の曲線仕上げにひと苦労
天井は既存の断熱材をそのまま使って、気泡緩衝材でカバーすることにした。
その下に天井用の板をセンターから張っていく。
壁は下部から張り上げていき、天井との接合部は型紙を作って形を調整し、隙間ができないように。
型取りがうまくいかない場合は最後の一枚をある程度の採寸で取り付け、天井との接合部に三角形の長物部材を張り付けて隙間を隠してしまう方法もある。
クルマ作りでは、ある程度、適当に加工しても施工することは可能だが、最終的な美しい空気感を得られない。
そんな、ちょっとした手間や小さな手仕事が仕上がりの違いを生むのだ。
ウッドパネルで覆ったインテリアにおしゃれシート
工程としては天井、フロア、サイドウオールの板が張られ、大きな内装工事は終了したところ。
車検に適合するように位置出しをして、オリジナルのシートの脚のフロア接合部を加工して取り付け。
木材に囲まれた室内に入ると、木のいい香りが漂ってくる。
そこがクルマの中であることを忘れてしまうほど、ここちよい雰囲気に包み込まれる。
天井とサイドの連続した曲線が美しい。
木を組み合わせたもので作り上げているのに、美しいラインがみられるのはプロフェッショナルの技。
窓枠は木材をラウンドシェープしている。
窓下にはおしゃれな手作りのドリンクホルダーが付く。
プロフェッショナルの技を拝見
室内細部の作り込みに驚かされる。
サイドドアレール部分は曲線の出っ張りが室内に食い込んでおり、このカーブを避けるため、天井の板を張るのは非常に苦労する。
カーブごとに型紙を取って、つなぎ合わせ、大きな型紙を作って対応した。
仕上げの修正もすばらしく、隙間がほとんどない状態となっている。
オーディオ、照明など、配線が必要な設備は、完成図ができていないと、あとで大変なことになる。
事前にラインを通す場所などをチェックし、ネジを打つ場所などは極力避けて配線しておく。
隙間なく断熱材を入れ込むことで、断熱効果が上がる。
断熱材を切ったところは必ずガムテープなどでしっかり塞いでから施工すること。
マテリアルにもこだわりあり
スピーカーカバーなどを塗装したのは、ラストオリウムのカモフラージュ。
マットな仕上がりで、アメリカンテイストを強める。
室内の木材仕上げの塗料に「OLD WOOD WAX」を使用。
今回はスモークグレーカラーを使ったので、室内は明るい雰囲気になった。
メインの照明はLEDネオンライトを採用した。
設置していても目立つことなく、照明としてもしっかりと利用できる。
ニューマシンで鳥取の旅へ
ステアリングを握るワカさんが目指すのは、埼玉の自宅から800km以上離れた出雲の街。
旅のメンバーはバンライフデザイナーユニット・シエルブルーの2人と3人の子どもたち。
忙しい日々を過ごす2人にとって、子どもたちとの時間を作るのも大変。
でも、いつでも行動できるクルマを持っているのが強み。
仕事をギリギリまでやりながらも、家族全員での旅ができてしまうのだから。
出雲大社周辺の濃厚な一日
高速を降りて出雲市に入ると、大渋滞。GMCラリーSTXが悲鳴を上げている。
水温が上昇してしまったのでエアコンを切って、前へ進む。
手間がかかるが、これも古いクルマとの付き合い方であり、楽しみ方だ。
最初にたどり着いた稲佐の浜。旅の疲れを癒しながら、砂浜を散策。
真っ白な砂浜にそそり立つ弁天島は圧巻。
今回の旅のメインともいえる出雲大社までは、稲佐の浜から約1㎞。
出雲大社では祈願を込めて、みんなでくじ引きを引く姿が。
書いてある言葉を読みながら、楽しそうにしている5人。
約1時間の参拝をして、参道を後にしたときは、みんなはクタクタ。
そこで、近くの魚屋さんの暖簾をくぐると、そこにはのどぐろの丼が。
脂がのった柔らかいのどぐろの刺し身がご飯の上に載せられている。
みんなが無言になってしまうほどのおいしさ。
関東では味わうことのできない丼だ。
こんな体験も全国を飛び回るバンライフならではの醍醐味だろう。
今日の宿泊地へ向かう前に、アウトドアショップ「B.S.K.K」(島根県出雲市大社町杵築東463-1)を訪ねる。
シエルブルーの2人が以前から行きたかったというスポットだ。
古民家を改装した店舗で、1階にはきれいな庭を眺めるカフェが併設されている。
ここでしばしの休憩をとることになった。
休憩も済んで、いよいよ今日の宿泊地である鳥取県の「FBI DAISEN」へ。
出雲から約2時間。米子を抜けると、地平線から威厳のある「大山」が突き出ていた。
快適すぎるFBI DAISENでのファミリーキャンプ
シエルブルーの2人と子供たち3人が到着したのは鳥取県・大山のふもとにある「FBI DAISEN」。
大人の遊び場を作ろうと、スタッフ自らが開拓し、施設などを造り上げたキャンプ場だ。
敷地内に一歩足を踏み入れると、独特の雰囲気に包み込まれる。
センスある空間が訪れた人々をリラックスさせるのだ。
広大な敷地にロッジやレストラン、プールまであり、どの施設も心地よい気分にさせてくれる。
まるで異国の地に来たような空気感に包み込まれる。
バンライフで充実のキャンプ体験
バンライフでのキャンプはクルマがコアになる。
キャンプ地に到着したら、カーサイドタープをセットするだけで自分たちの世界が完成だ。
室内のベッドが完成していれば、ラリーSTXのサイズで、ファミリー5人が十分に就寝できるスペースが確保できるという。
重要な電源確保はLACITAのポータブル電源と効率のよいソーラーパネルでカバー。
おいしい食事と楽しい時間を
FBI DAISENのセンターハウスにはフロントやショップのほかに、レストランが併設されている。
キャンプ場とは思えないリゾート感に期待が高まる。
おすすめの限定冷やしカレーやFBIビッグハンバーガー、ハーフカットチキンプレートなどをオーダー。
どれもおいしく、テーブルいっぱいに広がった料理はすぐに消えてしまった。
FBI DAISENの楽しみは夜。この日はイベントが開催され、来場者は大盛り上がり。
レストランはバーとなり、大人たちが日常を忘れ、ゆったりとした時間を楽しんでいる。
ワカさん一行はテントサイトに戻り、夜をのんびりと過ごす。
子どもたちとのキャンプも長年続けてきたが、こうやってゆったりとした時間を過ごせるのも、バンライフを実践したおかげといってもいいだろう。